バッテリー駆動の機器では、バッテリーパックのコンディションを監視することがとても重要です。 以前から、バッテリーの電圧検出回路は搭載する予定でしたが、Raspberry PiにはADコンバータがありませんので、適当なデバイスを探していました。 今回は、I2Cインターフェースで簡単に接続でき、電流、電力も取得できる ストロベリー・リナックス社のINA226 I2Cディジタル電流・電圧・電力計モジュールを使用してみました。
このモジュールには、電流測定用のシャント抵抗も含まれているので、初期設定として、その補正値を設定するだけで、測定を開始できます。 また、必要に応じて、複数回の平均値で計測したり、異常値の検出、測定サイクル速度の変更などができます。 テキサス・インスツルメンツ社のデータシート(英語!)
接続はこんな感じでハイサイド接続。
コマンドラインから
i2cset -y 1 0x42 0x05 0x0a00 w // Calibrationレジスタに a00hを書き込み
i2cget -y 1 0x42 0x02 w // 電圧レジスタの読み込み
i2cget -y 1 0x42 0x04 w // 電流レジスタの読み込み
i2cget -y 1 0x42 0x03 w // 電力レジスタの読み込み
という感じで、値を確認できます。 簡単ですね。 (今回、I2Cアドレスを42hにしています)
電流値はそのままの数値でmA表示ですが、電圧は1.25倍、電力は2.5倍にする必要があります。 また、表示される数値はリトルエンディアンなので、右側1バイトが上位、左側1バイトが下位となります。(ここちょっとハマりました)
PHPでサンプルプログラムを作成しましたが、リトルエンディアンの変換がスマートではありません。 unpack()で、サックとできそうなのですが、文字列操作でこねまわしちゃいました。(!)
<?php //ina226 testプログラム // Calibrationレジスタに a00hを書き込み exec("i2cset -y 1 0x42 0x05 0x000a w"); while (1){ $vol = exec("i2cget -y 1 0x42 0x02 w"); // 電圧レジスタの読み込み $anp = exec("i2cget -y 1 0x42 0x04 w"); // 電流レジスタの読み込み $pow = exec("i2cget -y 1 0x42 0x03 w"); // 電力レジスタの読み込み $vol = hexdec(substr($vol,-2).substr($vol,2,2)) * 1.25 / 1000; $anp = hexdec(substr($anp,-2).substr($anp,2,2)); $pow = hexdec(substr($pow,-2).substr($pow,2,2)) * 0.025; printf("電圧 %.2f V 電流 %.1f mA 電力 %.2f W\n", $vol,$anp,$pow); sleep(1); } ?>
これで、バッテリーパックの状態が把握できるようになりました。